こんにちは、札幌店舗内装ドットコム担当小林です。
新しく飲食店をオープンする場合、どのような物件でも店舗改装をしたり内装工事をしたりすることが多いでしょう。
自前の物件でも賃貸の物件でも同じです。
そこで、今回はこのような内装工事の耐用年数をご紹介しましょう。
耐用年数は勝手に決めてよいというわけではありません。
税金とも関係がありますので、国税庁で耐用年数を決めているものもあるのです。
飲食店をオープンするときにはお金がかかります。
ですから、「経費に計上しよう」と思っている方は注意が必要です。
1.内装工事や店舗改装
新しく店をオープンさせるとき、内装や外観は集客に大きく影響します。
飲食店ならば提供するメニューに合わせた外観や内装にすると、顧客にも分かりりやすいでしょう。
たとえば、和風居酒屋ならば民芸調。軽食と飲み物が主力メニューのカフェならばカントリー風、などです。
店で使う食器やいす、テーブルなども買いそろえなければならないでしょう。
また、飲食店は厨房(ちゅうぼう)設備が必須なため、居ぬきといって別の飲食店が入っていた物件をそのまま利用することも少なくありません。
しかし、厨房(ちゅうぼう)機器はそのまま使えたとしても、内装や外装まではそのまま使えないでしょう。
もともとの内装を生かすことはあっても、手を加える必要はあります。
ちなみに、店舗の場合は賃貸でも内装工事ができる物件がほとんどです。
どこまで手を加えてよいのかは契約書に書いてありますので、よく確認しておきましょう。
2.内装工事と税金について
店をオープンさせるときにかかった費用は、すべて経費として計上できます。
飲食店は自営業ですから、自分で確定申告をして税金を納めなければなりません。
その際、実際の売り上げから経費を引いたものが、純粋な利益になります。
経費の内訳は人件費や材料費、雑費などさまざまですが、内装工事や店舗改装の費用も経費として計上できるのです。
しかし、金額が大きいので一度に計上はできません。
特に、内装工事や建て増しなどをした場合は、何年も使うことが前提になっているでしょう。
そこで、「減価償却」という方法で計上します。
たとえば、内装工事に五百万円かかったとしましょう。それを5年で減価償却した場合、1年間に百万円が経費として計上できます。
また、減価償却は節税対策にも利用できるのです。
自営業の方ならご理解いただけると思いますが、経費が多いほど利益は減り、納める税金の額も少なくなっていきます。
だからといって、経費をむやみに計上することもできません。
内装工事の減価償却ならば問題ないでしょう。
ですから、経営が順調な飲食店は節税対策で定期的にリフォームすることもあります。
さて、この減価償却の期間ですが、個人で勝手に決めることはできません。
法律に定められた「耐用年数」によって期間が決められているのです。
この耐用年数は国税庁のホームページなどで確認できます。
また、税理士に相談すれば教えてもらえるでしょう。
内装工事をする場合は「どのような工事をするか」によって、翌年の税金も変わってきます。
3.内装工事や店舗を改装する際の注意点
さて、ここまでお読みいただければ内装工事をする際は、税金ことを考えて行う必要があるとお分かりいただけたと思います。
しかし、この耐用年数というのは建物への工事にだけ適用されるのです。
たとえば、いすやテーブル食器などを買い替えた場合などは減価償却が適用されません。
そこで、この項では内装工事をする際、スムーズに経費を計算する方法をご紹介します。
お店を新しくオープンしてからしばらくはとにかく忙しいもの。
確定申告の時期が来ても慌てないようにしたいものです。
ぜひ、参考にしてくださいね。
3-1.工事の種類を確認する
新しく店をオープンさせるときに行う内装工事は、いろいろな種類があります。
建物に対する工事もあれば、建物の付属設備に対する工事もあるでしょう。
また、消耗品や備品を設置する工事もあります。
これらの工事をすべて一括で「内装工事」としてはいけません。
めんどうでも細かくグループ分けしてください。
このあたりは、工務店に見積書を作ってもらえば分かりやすいでしょう。
自分でエクセルなどで表を作っておいてもいいですね。
確定申告のときに楽になるでしょう。
3-2.耐用年数は、工事ごとに決められる
法律で決められた耐用年数というのは、使った材料と用途で変化していきます。
たとえば、同じ工事でも木材を使った場合と金属を使った場合では、耐用年数は変わってくるのです。
また、建物に対する工事と建物の付属設備に対する工事でも耐用年数は変わります。
ですから、工事ごとに耐用年数を調べて経費に計上してください。
とてもめんどうに思えるでしょう。
しかし、税金をいいかげんに計上していると後で追徴課税がくることもあります。
悪質であると判断されれば、税務調査が入ることもあるでしょう。
内装工事に多額の費用がかかった場合、耐用年数を一律にしてしまうと数年間赤字決算が続くこともあります。
新しく店をオープンさせる際は、銀行から融資を受ける方も多いでしょう。
しかし、赤字決算が続くと銀行の印象が悪くなります。
新しい融資を断られたり借りたお金をすぐに返してほしいといわれたりするかもしれません。
経費が多く認められれば税金は少なくなりますが、このような落とし穴があることも覚えておきましょう。
3-3.税理士に相談しよう
しかし、内装工事を大がかりにやったという場合は、工事内容も多様です。
素人では処理しきれないこともあるでしょう。
その場合は、税理士に相談しましょう。
ただし、税理士も工事内容が不明のままでは、アドバイスの使用がありません。
ですから、最低でも工事の区分くらいはしていきましょう。
そのうえで、「この工事の耐用年数は何年くらいか?」などの質問をしていけばよいのです。
税理士もプロですから、銀行への心証も悪くならないようにアドバイスをもらえるでしょう。
飲食店を長く経営していこうと思うならば、よい税理士を見つけて顧問になってもらうのもお勧めです。
4.おわりに
今回は新しく飲食店をオープンさせる際の内装工事の耐用年数などをご紹介しました。
耐用年数は法律によって定められているので、実際の耐用年数とはずれが生じることもあります。
しかし、それは税務上必要のことですから、細かく考える必要はありません。
注意しなければならないのは、耐用年数を正確に区分することです。
店をオープンさせるときは、いろいろな工事をいっぺんに行うことも珍しくありません。
ですから、どんな工事をやったのかさえ分からなくなることもあるでしょう。
なので、見積書を必ず保管しておき、費用と材料工事内容を把握しておいてください。
そうすれば、確定申告のときに迷うこともないでしょう。
そのためには、内装工事を業者まかせにしておいてはいけません。
見積書を細かく確認して、入念に打ち合わせをしてください。
その方が区分もスムーズにできますし、確定申告のときに慌てずに済むでしょう。